「卵」と「玉子」の使い分けとその歴史
はじめに
料理のレシピを見ていると、「卵」と「玉子」が混在していることに気づく人も多いでしょう1。しかし、これらの違いを理解せずに、何となく使っている人も珍しくないでしょう1。この記事では、「卵」と「玉子」の違いとその歴史について詳しく解説します。
「卵」と「玉子」の違い
「卵」は生物学的な意味があり、この世の生物すべてにおいて孵化(ふか)する直前の状態を指します1。一方、「玉子」は基本的に食用の鳥類である鶏の卵を指します1。
「卵」と「玉子」の漢字の由来
「卵」の漢字の成り立ちについては諸説あるものの、草の先端や木の枝の先に虫のたまごがくっ付いたような状態を表現した象形文字であると言われています1。一方、「玉子」は、殻に包まれた鳥の「たまご」の丸い形から「玉の子」で「玉子」となり、料理に用いられる鳥類の「たまご」が「玉子」と表記されるのです2。
「卵」と「玉子」の使い分けの歴史
大昔は、たまごは殻があることから「殻の子 (かひのこ)」と呼ばれていました3。その後、平安時代に卵は「かいこ」や「かいご」と呼ばれていました3。しかし「蚕 (かいこ)」との区別がつかず紛らわしいことから、室町時代には「玉の子」という言葉で呼ばれており、これが、「玉子」となりました3。これは丸い玉の形をしたものの子という意味で、鳥類の卵であることを指しています3。江戸時代に入ると、「玉子」は日常的に使われるようになり、たまごを食べるようになり、「卵」と「玉子」が並立して使われるようになりました3。
まとめ
「卵」と「玉子」の使い分けは、生物学的な意味と食材としての意味、そしてその歴史的な背景によるものです。この違いを理解することで、料理のレシピや日常生活での言葉遣いがより適切になります。今回は、玉子と卵の意味の違いを、漢字の成り立ちから由来を含め比較して紹介しました1。大枠では鶏卵の中でも加熱調理したものを玉子と表記すると覚えておくと、卵と使い分けしやすくなります1。
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